「山門水源の森」のうつりかわり

約4万年前

  • 断層活動により湿原ができる。

(約4万年前:ネアンデルタール人が描いた? アルタミラ洞窟壁画
約3万2千年前:沖縄県で発見された人骨が、日本では最古級の現生人類 )


30078±48年前

  • 鹿児島湾北半分にあたる直径約20kmの姶良(あいら)カルデラで姶良大噴火がおこり、降り積もった火山灰は山門水源の森の地層でも見つかっている。(福井県「三方五湖」の「水月湖」から取り出された年縞により判明した。なお、地層の確定年は1950年を基準としている。三方上中郡若狭町にある年縞博物館へ)
年稿博物館
年稿博物館

1966

  • 斎藤 寛氏が「山門湿原植生調査」をまとめる。

1987

  • 「山門湿原研究グループ」(代表-藤本秀弘)が地質・植生・昆虫等について調査を開始する。
  • 山門湿原の東斜面の自然林が伐採され、ヒノキが植林される。
  • 環境庁(現環境省)が「自然環境調査植物目録」を作成する。

1990

  • 山門水源の森一帯をゴルフ場にする開発計画が具体化し、新聞等で大きく報道される。

1991

  • 研究グループは「山門湿原」の重要性をもとに、ゴルフ場開発を中止するよう県や西浅井町に要望する。

1992

  • 調査を開始して5年後、研究グルーブが「山門湿原の自然調査報告書」を発刊し、この湿原の全貌が明らかとなる。貴重種が多く、関係者の間で今後どう保全していくか大きな課題となった。

1995

  • 林野庁が「水源の森」100選に指定する。

1996

  • バブル崩壊のためゴルフ場開発計画は消え、その後この土地は滋賀県によって買収され、全域が保安林に指定された。しかし、貴重種の盗掘が続くので、採集禁止の大型看板の設置を県に要望し設置された。
  • 隣接の山中牧場から牛が侵入し、湿原の植物を食べたり荒らしたりするので、侵入防止柵の設置を県に強く要望し、設置がなされる。
  • 滋賀県がコース整備を開始する。

1998

  • 県と町と「引き継ぐ会」等が、この森の保全と活用方法について定期的話し合いをもつことができるようになり、望ましい保全のあり方と利用方法について検討を行う。
  • 湿原へ牛が進入し、糞の中に混入していた牧草の種から帰化植物が湿原に生えてきたので、西浅井中学生のボランティアによる除去作業を実施し雑草を駆除する。

1999

  • 西浅井中学校PTAと先生全員が現地視察と観察会を行う。また依頼のあった団体に新しいコースによる観察会を実施する。
  • 「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」の設立準備に入る。

2000

  • 西浅井町民対象の自然観察会を開催し、だんだんと地元に関心が高まってくる。「山門水源の森は今」と題して1泊2日のイベントや「自然観察会&ミニシンポジウム」などを開催する。(参加者延べ200名)

2001

  • 4月1日「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」を設立する。
  • 「山門水源の森連絡協議会」が発足する。
  • 「山門水源の森 生態系保全シンポジウム」を開催する。

2002

  • 滋賀県がバイオトイレを設置する。
  • 付属湿地を造成する。
  • 湿地の復元実験を開始する。

2004

  • 旧西浅井町立「やまかど・森の楽舎(まなびや)」が竣工する。
  • 第2回「山門水源の森 生態系保全シンポジウム」を開催する。

2007

  • 環境省大臣表彰「自然環境保全に関する功労賞」を受賞する。
  • おうみNPO活動資金の助成により、気象観測機器を設置し、連続観測を開始する。

2008

  • 滋賀県条例により「山門湿原ミツガシワ等生育地保護区」に指定される。

2009

  • 北部湿原の復元作業が完了する。引き続き、中央湿原の復元作業に着手する。
  • 森林レンジャーがこの年より2名従事することになり、保全作業など各種業務が急速に進展する。

2010

  • 本会が設立10周年を迎える。
  • COP10エクスカーションを受入れる。
  • 沢コースが完成し開放する。

2011


2012

  • 森林キーパーが常駐する。
  • 滋賀県主催「現地交流会」を開催する。(以後、毎年開催)

(画像は2014年11月の「現地交流会」)


2014

  • ユキバタツバキ群生地の調査を開始する。

2015

  • ドローンによる上空からの観察や調査を開始する。(画面中央にシカの侵入による食害を防ぐネットを張っているので、画面に向かって左側は地面が多く露出しているが、右側は草木が多いのがわかる)


2016

  • 本会設立15周年記念企画「山門水源の森の自然と保全—氷河期からの森の危機—」「2050シンポジウム」を琵琶湖博物館で開催

 2001年に発足した「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」の活動も15 年が経ちました。

 氷河期から存在する山門湿原を有するこの森は、現在危機を迎えています。その最たるものは、シカの食害です。今回の展示では、獣害対策を含めた、私たちのこれまでの森の保全の歩みを紹介します。また、私たちは将来ビジョン「山門水源の森2050」を設定し、今後の森の守り方について議論を始めました。その内容は、県内外を問わず森を守ろうとしている人のヒントになるのではないかと思います。もちろん、そんなに肩ひじ張らずにご覧いただくだけでも、楽しめる展示になっています。新しくなった琵琶湖博物館を楽しんだついでに、のぞいてみてください。

「山門水源の森の自然と保全—氷河期からの森の危機—」チラシ


2017

  • 滋賀県主催・現地交流会「常識くつがえすクモの世界」を開催
「山門水源の森の自然と保全—氷河期からの森の危機—」チラシ


2018

  • 2018年1月1日より愛称は、「奥びわ湖・山門水源の森」となる。

株式会社 山久ネーミングライツ(命名権)取得にともなうもの

  • 琵琶湖博物館 C展示室「琵琶湖の川と森を守る人々」コーナーに展示(2017〜)をおこなう。
  • 滋賀県主催・現地交流会「おもしろおかしい粘菌ぐらしー変形菌その知られぜる生態ー」を開催

琵琶湖博物館での展示



2019

  • 滋賀県主催・現地交流会「ユキバタツバキの魅力に迫る粘菌ぐらしーヤブツバキとユキツバキの出会いの場所・山門ー」を開催


2020

  • 8月10日、県主催・現地交流会「山の日に行く ブナの森 ワンダートレッキング」を開催


2021

  • 11月13日、県主催・現地交流会「山の健康・あなたの健康」を開催


2022

  • 5月26日、湖北工業株式会社、滋賀県、長浜市と新たな寄付に関して協定書を締結する。

  • 9月バイオトイレの改修、10月進入路の舗装を、山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会が湖北工業株式会社の寄附でおこなう。その後、バイオトイレは引き継ぐ会が滋賀県に寄贈する。
  • バイオトイレは、若狭工業株式会社の『newto』を採用した。
バイオトイレ改修
進入路舗装

  • 11月12日、県主催・現地交流会「保全20年・ブナ林が語る衰退と再生」を開催



2023

自然共生サイト認定証

  • 11月18日、県主催・現地交流会「自然共生の視点で 紅葉の森を見る」を開催
現地交流会


2024

  • 4月27日、県主催・現地交流会「春本番、湿原を白く染めるミツガシワ」を開催
現地交流会